◆第二句集
一昨日も昨日も月夜龍の玉
私が俳句を作るのはものを見て作らずには居られない衝動にかられりときである。
言葉は思い通りにならないが感動の思索もまた楽しい時間の一つである。
(あとがきより)
◆自選十句
一昨日も昨日も月夜龍の玉
遠浅に貝ひろふ人西行忌
花こぶし地下をきれいな水のゆく
白れんを浜松に見て旅半ば
木のこころ溢れてしだれ桜かな
木の花の匂ひ重たし六月は
山泊り骨の髄まで月浴びん
真黒な梁も自在も山の冬
ゆるやかに五衰の至る曼珠沙華
隈もなく裸身のごとき月夜かな
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[たみやなおき(1944〜)「草樹」「古志」会員]
装丁:君嶋真理子
四六判フランス装
202頁
2015/10/10刊行