◆第一句集
全開の蛇口で洗う夏の朝
感情や気持ちの表現はとても率直。それがこの人の特色だし、私が彼女に共感するのもその点においてである。
(帯より・坪内稔典)
◆自選十句
マンモスは只管ねむる緑雨です
ポストから塩辛蜻蛉ついてくる
葛咲いて大観覧車錆びる音
柿買えばおまけも柿の真田村
タンポポが笑って赤毛のアンかしら
二人いてテレビがしゃべる薄暑かな
筋トレはしないと決めて夏座敷
お年寄は元気沖島は晩夏
残暑の候朝昼晩と食べてます
モナリザはきっと猫舌月朧
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[おざきじゅんこ(1940〜)「船団の会」会員]
解説:坪内稔典
栞:神野紗希
装丁:和兎
四六判変型半上装カバー装
146頁
2015/09/30刊行