第1回姨捨俳句大賞受賞!
◆第三句集
小鳥来る旅の荷は日にあたゝまり
どんなに心許ないかすかな泉であってもそこに目を凝らし耳を澄ませる、そんな日々でありたいと思っております。
(著者)
◆自選十五句より
白南風や鳥に生まれて鳥を追ひ
生きてゐる冬の泉を聴くために
人間を映して閉づる兎の眼
わが杖となる木に雪の記憶あり
雨粒を背負ひて蟻の立ちあがり
みどりさす運河の果てに絵葉書屋
勾玉のかたちに目覚めゐて白露
弓つゝむ袋むらさき初嵐
しろがねの鯉の吐きだす花の屑
花吹雪先ゆく人をつゝみけり
跳ぶまへのまばたきひとつ青蛙
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[すぎやまひさこ(1966〜)「藍生」「いつき組」「ku+」所属]
装丁:和兎
四六判フランス装カバー装
176頁
2015/09/10刊行