◆合同句集
昭和五十年(一九七五年)九月に創刊された「椎」は遂に四十周年を迎えた。
その間私たちは、志高く地方から文化を発信するのだと言う自負をもって、ひたすら進んできた。
この大きな節目にあたり、合同句集『天山』を刊行することにした。句集名は、創始者原田喬が憧れ続け、見ることの叶わなかった山である「天山」を頂くことになった。
果たして、私たちは「素朴・単純・平明にして土に近くあれ」と言う原田喬の俳句理念に少しでも近づくことが出来たであろうか。
(序より:九鬼あきゑ)
◆作品紹介
発心や朝日たばしる蘆の角
十月の頭小さく水馬
冬瓜をまはしてなにもなかりけり
まつくらな海渡りきて酉の市
鬼やんま虚子がのこしし眼はも
[「蘆の角」原田 喬 (九鬼あきゑ抄出)]より
去年今年もつとも明き星探す
闇へとんで音なかりけり年の豆
男雛いまはるかなるこゑ発しけり
フルートの音のなかから春の人
[「はじまりは」九鬼あきゑ]より
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[しいごうどうくしゅう]
編集:『天山』編集委員会
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装
380頁
2015/08/30刊行