◆第二句集
手をつなぐことが祈りよ三月は
私の郷里は福島県いわき市です。東日本大震災は、私にとって残りの人生で何をするかを考える契機となりました。今、俳句の仲間といわきの吟行を続けています。私にとって、何よりの励みであり喜びです。(著者)
◆自選十五句より
人日の畑より抜く今日の糧
掛け声の刹那に光水祝ひ
やどり木に浮く力あり春隣
囀の満ちたる森の濡れてゐる
円柱のふくらむところ蝶の昼
逃水の一本道を触れ太鼓
地の罅の鱗となれり大旱
紅蓮朝日へ力ゆるめたり
腕伸ばす二尺の闇を踊るなり
蜩の門じやんがらの鉦通る
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[やまざきゆうこ(1956〜) 「 りいの」編集同人、「絵空」同人]
装丁:和兎
四六判フランス装カバー掛
176頁
2015/09/01刊行