◆第一句集
たらちねの声わすれめや桃の花
俳句は、俳句を愛する人を限りなく癒やしてくれる。
私はこれからも、すみれさんの俳句が生まれる現場に立ち合っていたいと願う。
(序・石田郷子)
◆自選十句より
はつふゆの匂ひを連れてくる列車
マフラーをぐるぐる巻きにして挑む
大寒や星のなまへの店を出て
するするとするすると春動きだす
階段は駆け上がるもの休暇果つ
エメラルドグリーン深く時雨かな
あたたかや道掃く人もハミングも
たらちねの声わすれめや桃の花
夕暮の噴水遠くありにけり
道幅の広き街なりシャーベット
*
[こばやしすみれ(1955〜)「椋」会員]
序:石田郷子
栞:神野紗希
装丁:和兎
四六判変型半上製カバー装
200頁
2015/07/07刊行