◆第一句集
牧涼しついーんついーんと鳴く小鳥
著者には自己を鍛え育んで来た暦日の過去とこれからが厳としてあることを知っている。その自己を静かに育み続けつつ益益俳句に関り続けて頂きたいと希うばかりである。
(序・辻田克巳)
◆自選十句
教科書にありしお姿鑑真忌
春の雪熨斗の形に嬰包む
埋草を頼まれてゐる懐手
醍醐寺の億土の闇に青葉木菟
涼しさや鵲町に入りてより
捨て難き文の数かず獺祭
ビルの間泡立草の一租界
鉄無地を好みし父や新走
「サンタさんほんたうのねこください」と
Nとあるのみ古日記読み返す
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[ひらおかきみこ(1938〜)「幡」会員]
序:辻田克巳
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
224頁
2015/05/26刊行