◆第二句集
黄にあらず白にあらざる春の蝶
過去を少しずつ脱いで、その先に待つ新しい?がりを大事に、時には孤独を楽しみながら、私らしい句を作って行ければ良いと思っている。
◆自選十句
雪解川沿ひに温泉町の灯は尽きて
梅が香を乱さぬほどに鳥睦む
穴を出て蜥蜴は橋を渡りけり
夏帽子まなざし強き少女かな
健康なマーガレットをふと疎む
竹林を行く正装の大揚羽
落鮎に面差しといふもののあり
さだかなるものの影踏む秋思かな
こつこつとこつこつこつと啄木鳥も冬
鵜も二つ並べば春を待つごとし
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[すだふみこ(1937〜)「若葉」同人]
装丁:和兎
四六判フランス装カバー掛
198頁
2015/03/23刊行