◆第四句集
花綵は花で編んだ綱である。四季折々、花々を咲き連ねる島弧は花綵列島ともいわれる。そんな自然に私たちは育まれている。それ故に、自然と自然にかかわる暮らしを詠みたいと願ってきた。
(あとがきより)
◆収録作品より
秋雲や文字ぎつしりと干拓碑
清貧といふ死語のあり水澄めり
廃校にアトリエのあり天の川
いろいろな草の遊びや草の花
牧場に酒届きたる良夜かな
木守柿夕日に声を張りにけり
飢ゑて鳴く鳥もあるべし冬木立
鬼房は蝦夷の長や花辛夷
爪書きの鬼房の詩よ蘆の角
ささくれし厩日誌や月朧
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[おおたつちお(1937〜)「草笛」代表・「百鳥」同人]
装丁:和兎
四六判並製カバー装
180頁
2015/03/16刊行