◆第五句集
本年九?九日をもって「天頂」は創刊十五週年を迎えた。本書はその自祝と反省の意を込めての上梓で、私の第五句集となる。
本書は、平成二十一年より平成二十四年までの作をまとめたものである。
句集名「湖上賦」は、唐の劉禹錫「和重題」の詩の、
林端落照盡 林端?落照?盡き
湖上遠嵐? 湖上?遠嵐??し
に拠る。
(あとがき)
◆自選十五句より
毀れゆく時?うつくしかき氷
藻が咲いて汨羅に淵の見あたらず
舫ひ綱鳴いて江差の朧なる
砂山に赤い雨傘たてて春
春の闇ぬうと大日如來かな
竹皮を?いでまさをや金閣寺
もののふの?いくつある夏木立
火柱は楊貴妃の丈牡丹焚
懸大根かつて淺草レビューかな
ことば亡くして蓬生にへたりをり
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[はとおかあきら(1945〜)「天頂」主宰]
装丁:和兎
四六判上製フレキシブルバック
248頁
2014/11/20刊行