◆ふらんす堂編集日記
◆第一句集
熱燗や女盛りを今と決め
この一句に翔さんの心意気と潔い決断力がこめられている。句集出版は、その「今」の記念だ。今を大切に見のがさず、聞きのがさずに把えた人生のひと齣ひと齣は、私たちの五感を大いに刺激してくれる。
(帯より:西村和子)
◆自選十句
春昼のハーレムの辻乾きたる
草を刈る瞳の濃くて蜥蜴追ふ
生ビール星占ひを信じてる
かき氷ブルーハワイといふブルー
無表情くづれて涙心太
八月の島影ふつと消えにけり
十六夜や父の部屋その日々のまま
麦秋やふたりでひとつ旅鞄
女にも遊び心や日脚伸ぶ
永き日の二月堂より暮れにけり
*
[あべかわしょう(1948〜)「知音」同人]
序:行方克巳
帯:西村和子
装丁:和兎
四六判上製カバー装
202頁
2014/10/28刊行