◆最新詩集
〈十分くらい歩くと海ですよ、といわれ、ホンモノ? と思わずきいてしまった。あたり前だよね、海岸通りって、看板にちゃんとかいてある。いちょう並木をどんどんいく。建物も人かげもとぎれて、橋。夕ぐれ、すこし、まえの。こわれた小舟が浮いている。もう、これ以上、どこへも行きようがない、という感じで、なんだかすっかり くつろいで。たどりついたのだ、ようよう、ここへ。ながれついたのだ。あちこち さまよって、やっと、ここへ。〉
(あとがきより)
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[つじゆうこ(1942〜)]
装丁:山田朝子
50頁
2014.11.19刊行