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三枝正子句集『七草』(ななくさ) [9784781407289]

販売価格: 2,700円(税別)

(税込: 2,970円)

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◆ふらんす堂編集日記

◆第二句集
 私は、日本語の「五七調」は、日本語の響きが自然と生み出した「呼吸」と思っている。『古事記』の
八雲たつ出雲八重垣妻ごみに八重垣つくるその八重垣を 須佐之男命
この歌を原点とする、日本語の「調べ」は自然に言葉を呼び起し、吐く息、吸う息となってゆく。この呼吸感、心地よく歌う喜びは庶民も、宮廷人も、町衆も、近代詩人も、まるで、あたり前のことのように五七の調べに乗っているではないか─。私も命の限り、さわやかに五七の調べの若葉風に吹かれていたいものである。

◆自選十句
囀のかたまり沈む潟の葦
クッキーのざらめきらりと利休の忌
よりそひて呆けめでたし蕗の婆
米洗ふ間に春雪の庭となる
春を醸す底知れぬ闇ありにけり
盛り塩や夏至昏れかぬる神楽坂
てんぷらの零余子や燗を熱うせよ
風花や鷹みじろがずまばたかず
極寒やキャラメルの箱天使ゐて
ポケットに手を入れ枯野人となる

*

[さいぐさせいこ(1927〜)「一葦」同人]
装丁:和兎
四六判フランス荘グラシン巻
234頁
2014/10/20刊行
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