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◆ 第一句集
高麗川の蛇行大きく月見草
高篠勇夫さんの生地は、遠く富士山を望み、峨々たる秩父山塊に入る前の武蔵野台地、その緑野にあたる高麗台地である。その西寄りの山麓を高麗川がゆったりと蛇行している。生地である高麗を愛して懇ろに詠む態度から句集名を「高麗郷」としたい。(序・鈴木太郎)
武蔵野の風に乗り来し初燕
白魚の命重なる四つ手網
父卒寿桜見し夜の菩?なる
八重桜枝垂れて赤き吐息かな
白牡丹崩るるときの闇動く
龍神の昇天たしか夏つばめ
稲架解かれ赤城颪の田を駆ける
霧の奥放牧牛か鈴の音
寒厳し今日の予定をふと変ふる
冬の雷布裁つ息を乱しけり
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序文・鈴木太郎
装丁・君嶋真理子
四六判上製カバー装
200頁 2007.12.22刊行