◆儚い時の舟が流れている
見慣れた街角を過ぎる風や
聞き慣れた声に残る、不協和音
そこに立ち止まった感性が捉える
日常の深淵には
私たちの生きる儚い時が
静かに流れている
(帯より・稲川方人)
◆覚書きより
わたしのなかで理念と現実が軋んだ時に、道を見通し、世界を見つめるまなざしが温かくなる詩に魅かれていました。
わたしが書いてきたことは、小さな季節を行きつ戻りつしている遠い昔かもしれません。
でも立ち止まり両手を広げて光と風を受けていることでもありました。
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[むねたともこ「じゅげむ」同人]
装丁:稲川方人
四六判並製小口折り表紙
72頁
2014/09/26刊行