第38回俳人協会新人賞を受賞しました!
◆ふらんす堂編集日記
◆第一句集
いつかてふ日は訪れず鰯雲
いさぎよい覚悟は諦念にも通じる
それらが三位一体となって展開してゆく、井出野浩貴の俳句ワールドだ――
(帯より・行方克巳)
◆自選十二句より
鉄橋のしづまり雲雀野にひとり
卒業す翼持たざる者として
夜桜の星へ旅立つかもしれず
グローブのオイルの匂ひ五月来る
冷奴ゆづれざることひとつ失せ
夏帽子選びてよりの旅ごころ
眠る子の膝にかさぶた天の川
葡萄売る石の都に驢馬つれて
この道の行く先知らず鰯雲
そのかみの密使の如く落葉踏む
*
[いでのひろたか(1965〜)「知音」同人]
序:西村和子
帯:行方克巳
装丁:和兎
四六判並製小口折り装
210頁
2014/09/21刊行