◆西洋と東洋における詩的発想及び思想性について論考
本著は詩の問題を比較文化の領域のひとつとして考察を加えたものである。詩を文化というダイナミズム(dynamism)の流れにさらすことによって詩の世界が再び新たに活性化するのではないかと考えたのである。詩というものは博物館のガラスケースの中に大切に収蔵されている展示物ではなく、精神を鼓舞し血管を流れる血のように生きたものとして存在することが重要と思うのである。方法論としてはダイバーシティ(diversity)とユニティ(unity)という概念を想定して詩の問題を考えていった。詩の豊饒を支えるものが前者であり詩の世界を支えるものが後者であると感じられるからである。多様性と統一性・普遍性を大切に思う所以である。つまり悪に限らず森羅万象において天網恢恢疎にして洩らさずなのである。
(著者)
◆目次
目 次
第I部 英国と米国
第1 章 ホプキンズの鷹とホイットマンの鷲
第II部 英米と日本
第1 章 英米詩と俳句における類似的発想について
第2 章 沙翁と漱石
第3 章 俳句と『武士道』
第III部 西洋と東洋
第1 章 ホプキンズと華厳経
第2 章 ブレイクと華厳経
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[おおぜきやすひろ(1948〜)高千穂大学人間科学部教授]
装丁:和兔
四六判並製カバー装
146頁
2014/09/28刊行