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◆ふらんす堂編集日記
◆第三句集
利にならぬことおもしろし柿の蔕
ユーモアの風韻も嬉しい。
写実が確かで感覚が生き生きしている限り俳句は古びないことが分かる。
(帯より:辻田克巳)
◆自選十二句より
明恵坐すごとく樹上の松手入
藤の花翅あるものを狂はしめ
稚魚は?を出で入りすらむ月今宵
透きとほるものではじまる夏料理
子に貰ふたんぽぽといふひかりかな
初夏の海の八入の藍や父の郷
灯されて絵本のごとき雪の暮
ふらここを飛び翔ちさうに漕ぐ少女
借景に五月の穂高食前酒
日あたれば金色童子福寿草
*
[すぎぐちれいせん(1946〜)「幡」入会]
帯:辻田克巳
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
212頁
2014/09/06刊行