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◆ふらんす堂編集日記
◆第一句集
藍染という色彩造形の世界で一家をなした著者が、俳句という言葉の造形の世界にも作家として名乗りを上げる処女句集。
(帯より:有山八洲彦)
◆有山八洲彦撰より
美しき笑顔でありし遍路笠
星涼し音を殺して宿の下駄
合ひ寄りて色を深めて花筏
破れ蓮のすつくと立つは未練とも
藍甕の布を手繰れば小鳥来る
原爆忌修すに並べ千の椅子
玻璃一枚へだてて暗き虫浄土
初鏡子と三面を分かち合ひ
初伊勢やのつぽの孫を目印に
燭尽きてしばらくの闇魂送る
小女の裾端折り馳す夕時雨
枯れてなほ鬼灯網の部屋点す
*
[やまもといくの(1924〜)「朱雀」同人]
帯・序:有山八洲彦
装丁:君嶋真里子
四六判上製カバー装
220頁
2014.07.14刊行