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◆ふらんす堂編集日記
◆精鋭俳句叢書 serie de la naige
春の月てろんてろんと生きたしよ
これは、視聴覚が異様に発達し、頭でっかちな現代人の生き方ではない。手触りや膚ざわりを通してものを?み、信じる縄文原始人のようなきわめて具体的な、ときには大地の霊気を感じることができるふしぎさに満ちた生き方であろう。
(序より:宮坂静生)
◆自選十五句より
恋の歌歌ひ草刈十字軍
七月の雨きらきらと犀の檻
野に還るトーテムポール夏の雨
穴出でて天王山の蟻となる
筍を噛めばりんごの歯応へよ
親方の髪に櫛目や鉾祭
青虫に脈打つ青き血潮あり
ちちははも猫も健やか年の家
デッサンに明け暮れ十五歳の夏
日輪に金のふちどり藪養生
*
[くりはらりよこ(1955〜)「岳」会員]
序:宮坂静生
栞:小林貴子
装丁:君嶋真里子
四六判並製小口折り表紙グラシン巻き
220頁
2014.07.01刊行