◆第200号記念
花の中まことの花を探るべし 島谷征良
俳句はたつた十七音の短い詩型である。短いからこそ思ひを凝縮して込めることができる。この句集は、一葦の作家一〇九名の生きてきた証であり、心そのものである。
◆十人十句
もともとは句も歌なりと人麻呂忌 島谷征良
花のなき籬をこぼれ初雀 新井 保
若者の片手?みに福達磨 伊東慶子
地の神を訪はなと桐の一葉かな 鈴木定代
寝袋になじまぬ手足星流る 鈴木智子
寒柝の唐突に来て徐々に去り 土屋いそみ
澄みて来し遠音一つや法師? 中根美保
稽古始め即ち正座始めかな 菱科光順
ひとひらとかぞふるべきぞみやこどり 細谷喨々
くれなゐの気息もろとも寒牡丹 松井恭子
(主宰・同人作品より抄出)
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[いちいはいくかい]
序句:島谷征良
装丁:和兔
A5版上製ビニール掛
456頁
2014.06.29刊行