[立ち読みする]
◆ふらんす堂編集日記
◆第四句集
今では俳句の私の一部となった感がある。句作を止めようと思えばいつでも止められるのに、いまだ止めようと思ったことがない。不思議である。
(あとがきより)
◆自選十句
殺生の途中昼寝となりにけり
上からの目線をよけて泳ぎ切れ
張合いをひとつ持ち去る流れ星
揺り籠のなかで万緑揺れている
目を合わすこともなく滝落ちてくる
訳ありの林檎おいしく召し上がれ
点滴のボトル見上げて春を待つ
学園の秘密が漏れる落椿
本心を伝えないまま山眠る
れんげ田を転がるうちに異端児に
*
[やまぐちきうらぎ(1954〜)「子燕」会員]
装丁:山田朝子
四六判フランス装
140頁
2014.05.30刊行