[立ち読みする]
◆ふらんす堂編集日記
◆第一句集
夏逝くや山家の嫁の白き脛
この第一句集を足場にして今後も迷わず一筋の風雅の誠を求めて歩んでほしい。将来の大成を期して待ちたい作者である。
(序より:鍵和田柚子)
◆自選十句
夏逝くや山家の嫁の白き脛
クローバー雲行く方へ列車ゆき
卒業す指ピストルを彼に向け
立ち漕ぎの少女の背筋伸びし朱夏
猟期来る孕む女の深眠り
冬田打ち筑紫次郎は雲浮かべ
燕寝ぬ臨終告げて辞す患家
当直医日誌をなぐり書く晩夏
小春日や病者も医者も既に逝き
不機嫌に患者診し夜の霜の声
*
[みうらひろし(1953〜)「未来図」同人]
序:鍵和田柚子
装丁:和兎
四六判上製カバー装
212頁
2014.06.01刊行