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◆ふらんす堂編集日記
◆第一句集
頬杖の瞳大きく水中花
まさかと思えるほどにユニークな表題からも予め推測はつかないことはないのだが、ほぼ想像どおりその発想や表現は多彩を極めており常識を見事に裏切ってくれていて舌を巻かずにはいられないところが正直こころ憎い。
序・辻田克己
◆自選十句
それをまたをかしがられて生身魂
残る虫鳴き止む力ありにけり
「雪の同窓会」と張り紙月の須磨
こきくくるくれこよと釣瓶落し
幾条の畝の彼方に耕人よ
かあさんはきつと来るから夕桜
春景に溜池といふ錘あり
最後まで来ぬ人のありクリスマス
重力に抗ふ歌を揚雲雀
ある晴れの朝人羽化をしてヨット
*
［たなべすの（1955〜）「幡」同人］
序：辻田克巳
装画：田辺れい子
装丁：和兎
四六判並製カバー装
234頁
2014.06.22刊行
