◆ふらんす堂編集日記
◆第一句集
あんぱんのへそずれてゐる十二月
「秋奈って、へそ好き?」
「そう、触りたいよ。」
「ふーん、自分のも人のも、あんパンのも。」
「うん。アワビとかウニのもね。」
話は尽きない。この句集の読者もねんてん流に著者との対話を楽しんで欲しい。
(跋より・坪内稔典)
◆自選十句
札幌の名残の雪を遊びけり
振り向いて赤い椿を好きと言ひ
蜜蜂や君のとなりを歩いてる
アカシアの花降る街にまたせをり
鬼は誰ブラックベリーまだ赤い
カクテルの青好き秋が来てるから
晩秋の空は青くてたいくつな
わたくしにふるさとポプラてふ晩秋
白樺に凭れ支笏湖に降る雪
大寒の青空結婚記念日で
*
[おのあきな(1944〜)「大」編集長「船団の会」会員]
跋・坪内稔典
四六判変形フランス装
138頁
2014.05.01刊行