[立ち読みする]
◆ふらんす堂編集日記
◆第一句集
褒められぬ子らばかり来て成道会
この慈愛に満ちた眼差しは、出会いの折、相対した眼の澄みと同じ源から発せられたものである。
(序より・高野ムツオ)
◆自選十句より
亀鳴くやいずれ気体となる私
さくら葉ざくら救援物資受付所
万緑やいつも誰かに呼ばれいる
美しき目玉焼なり梅雨晴間
塩竃の竃のあたりで鮨を食う
月はいまブラジルあたり草を刈る
一輪車これから虹を見に行こう
夏座敷風の太郎が生れたり
レノン忌のレノンになれない雀かな
みほとけの裳裾のように時雨かな
*
[よしの・しゅうげん(1959〜)「小熊座」同人]
序:高野ムツオ
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
182頁
2014.04.17刊行