◆風格のある歌
孔廟の壮麗極む大成殿あのオレンヂの甍懐かし
折々の１７０首
◆作者自選八首より
青春の夢はこびたる連絡船明日は消えゆく汽笛残して
二次会は馬場でいいよと動議出て酔ひ回りたる黄昏の道
ひそかにと思ひ惑ひて佇める石神井川の水は澄みたり
妻からの夜半の電話けたたまし旅立ちかねつこころ急きたり
行き行きてタクラマカンの只中に土塀めぐらせ玉門関在り
コトコトと鉄道橋を渡り着く駅の表記にサンタ・ルチアと
テレビではメーンレースのゲート開く電話掛かるもだれが出ますか
８コースフルハシジャパン８着とラヂオも噎んだヘルシンキ五輪
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[たけおかじゅんのすけ（1934〜）]
序：村山吉廣
装丁：和兎
四六判上製カバー装
152頁
2013.04.20刊行
