◆第一詩集
暗い蛍光灯は肩が凝ると 毘沙門天が言いにきた(作品より)
俗と聖が渾然一体となり
ファンタジックな身ぶりのなかに
ユーモラスな異界のものたちによる
不穏な世界(コスモス)が現出する。
◆序より
月の満ち欠けは仁王の呼吸によっている
それは交互に繰り返して
この世で一度も途切れたことがない
阿吽(あうん)の像は 月の満ち欠けをあらわす
阿形が満ちる月 吽形が欠ける月
村人は 時折ここに来て手を合わすが
仁王は 今裏山で桃に袋をつけている
*
[あさいまさと]
A5判変形フランス装カバー掛
装丁:和兎
101頁
2014.04.04刊行