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◆ふらんす堂編集日記
◆第一句集
大文字ほつと冷たき風通る
小春俳句の一つの魅力は、その言葉にあります。いったいどのような言葉を小春という箱から取り出してくるのか。それが楽しみなのです。
(序より・山口昭男)
◆自選十句
啓蟄の街やジーンズ色になる
ふらここやそしてだあれもゐなくなり
蛇衣をぬぐ大臣を更迭し
水門の秋はペン画のやうに暮れ
吊革のひやりと啄木忌暮るる
木の虚のやうに酔ひゆく春の宵
空蝉の日蔭の奥をつかみをり
うなはらのいろ凍鶴のまなうらは
古草のうつらうつらとからみあふ
昔とは月の明かりのさすところ
*
[みわこはる(1948〜)「秋草」所属]
序:山口昭男
装丁:和兎
四六判並製カバー装
136頁
2014.03.28刊行