◆ふらんす堂編集日記
◆第一句集
まとめてみると、恥ずかしいような拙い句ばかりではありますが、残り
少なくなった時間のうちに形にすることができたのは、この上なく幸せなことだとつくづく感じております。
(あとがきより)
◆収録作品より
ユーカリに隠れて好きな人を待つ
蓮枯れて水まるみえとなりにけり
獅子の顎かくかくと纏頭呑み込める
沈丁の香のみ残して暮れにけり
螢火の流れ落ちして水掠め
赤とんぼ止まり変へてはとびたたず
濤音を吸ひ込んでゐる稲架襖
凄まじき寒垢離の声あがりけり
雪崩止雪に溺れてをりにけり
消え揃ひし螢二つのゆきどころ
たゆたひて恋ともならず螢の火
*
[ほりえたえこ(1928〜)]
装丁:和兎
四六判フランス装
164頁
2014.02.10刊行