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◆ふらんす堂編集日記
◆第4詩集
二〇一〇年十一月十九日から十一月二十五日まで、京都、大阪へ行った。東京、京都、大阪に住む古くからの友人。一年間つき合ってくれた一人の恋人。いまは寓居の中音もなく、旅の途上拾った秋の木の実が机上に置かれたままになっている。
M[ ?m ]、T[ t?: ]、Y[ w?i ]、O[ ?u ]、N[ ?n ]、S[?s ]、それぞれの名前やこれまでの出来ごとは純粋に音にまで分かれ、歩行が光と陰とひとしく見分けられなくなる群れの中へ消された。頭からふいに分岐し収斂しながら、太陽に襲いかかろうとする何羽かの鳥は押し潰されていったかに見える空へ羽をきしらせ、何かを掻き出し、鳴いて、影が光でもある中枢の核の方へたちどころに突き抜けようとした。
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[てづかあつし]
装丁:平田剛志
表紙・扉作品:今村遼佑《雨のドローイング》2013
A5判変形略式フランス装
180頁
2014.02.04刊行