[立ち読みする]
◆ふらんす堂編集日記
◆第一句集
立ちしもの風をつくりて無月かな
どの句も捉え方が新鮮で、内容も深い。
暗喩、寓意などの技法を存分に駆使しながら、常に優れた句を成功させている。
(序より・小原啄葉)
◆自選十二句より
啄木の低き机や蝉時雨
宇宙への信号発信朴の花
仏間まで祭の風を入れにけり
施錠終へ梟に闇返しけり
ばらばらに逃げて一つに稲雀
まばらでも満開といふ冬桜
方言に生きる強さや霜柱
霙の夜屈葬のごと湯に沈む
それぞれの羽が見えをり卒業す
春の野にほどよき棒を拾ひけり
*
[さわぐち・こうゆう(1951〜)「樹氷」同人]
序・小原啄葉
跋・白濱一羊
装丁・君嶋真理子
四六判フランス装
198頁
2014.01.24刊行