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◆ふらんす堂編集日記
第5回田中裕明賞を受賞しました!
◆第一句集
猿丸俳句の世界はクリアである。そこにはゆがみや濁りは見られない。徹底した描写を通して、俳句の世界に新しみをもたらそうと努めてきた。時には人として在ることの苦さや、人を恋うことの痛みまでが匂うのも魅力である。すでに新人として認められている作者だ。待望の句集『点滅』の刊行が、さらなる飛躍につながると確信している。
(帯より・小澤實)
◆自選十句
春泥を来て汝が部屋に倦みにけり
ビニル傘ビニル失せたり春の浜
ダンススクール西日の窓に一字づつ
看板の未来図褪せぬ草いきれ
炎天のビールケースにバット挿す
指の肉照る箱庭に灯を入れて
ローリング・ストーンズなる生身魂
箱振ればシリアル出づる寒さかな
愛かなしつめたき目玉舐めたれば
列車来ぬおのが照らせる雪衝きつつ
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[さかえさるまる(1968〜)「澤」同人]
帯・題箋:小澤實
栞:正木ゆう子・藤本美和子・高柳克弘
装丁:山口信博
写真:かわしまよう子
四六判薄表紙カバー装
188頁
2013.12.27刊行