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◆現代俳句文庫
おにをこぜ徹頭徹尾おにをこぜ
・収録作品/句集『雪渓』抄『滝』抄『おにをこぜ』抄『菊白し』抄『はりま』抄『松の花』抄『美雪』抄
・エッセイ/行きて帰る心の味ひと循環律
◆収録作品より
月明の病棟もるるオルゴール
去る母の前に後ろに秋の蝶
青春の病む胸飾るぼたん雪
葡萄食ふわが療養期あとわづか
雨濡れの曼珠沙華折る友の死よ
月光に深眠りして死を逃る
ちちろ鳴く祖母の屍の低き嵩
ずぶ濡れの十代シャワーの水甘し
何を見出でて夕焼の海を指す
誕生日寒き海のみ見て返す
*
[まつおたかのぶ(1946〜)「松の花」主宰]
解説:山西雅子・鈴木直充
四六判ペーパーバックスタイル
104頁
2013.11.03刊行