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◆現代俳句文庫
終バスに赤い金魚とわたくしと
・収録作品/句集『眠れぬ鹿』抄『雲林院町』抄『えんまさん』抄『えんまさん』以後
◆収録作品より
月鉾の月の上なる月白き
父の尿採る夜蛙の大合唱
あぢさゐに百のため息あびせをる
やさしくない吾とおもへり麦の笛
おほばこやひび割れてゐるアスファルト
蟻地獄蟻入れてみてたしかむる
切ればすぐ流しの上で西瓜食ふ
ぼつきりと箸の折れたるおはぎかな
もつともつとすごいはずだつた野分去る
月見酒若気のいたりてふ叔父が
*
[ひばこひろ(1949〜)「船団の会」会務委員]
解説:池田澄子・小西昭夫
四六判ペーパーバックスタイル
106頁
2013.10.31刊行