◆第37回俳人協会新人賞受賞!!
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◆精選俳句叢書「月」シリーズ
黄砂降る一千キロも誤差のうち
「誤差」は科学的数学的な言葉だが、時にはこうした言葉が、詩的でかつ新鮮な光彩を放つときがある。しかも、この一句の視点は、作者の内包されたやさしさも醸し出している。
(序より:能村研三)
◆自選十五句より
この小さき命重たし天花粉
初泣の嬰存分に泣かせおく
夏濤に向かひ余力をはかりけり
洗顔の水を散らして新樹光
清流をくねらす西瓜冷やしけり
むらさきは争はぬ色初筑波
句点なき証書一枚卒業す
もういいと言ふ口癖や生身魂
切手貼る一滴の水麦の秋
漆?き男も鎌も古りにけり
*
[いませ・かずひろ(1965〜)「対岸」「沖」同人]
序:能村研三
栞:片山由美子
装丁:君嶋真理子
四六判並製小口折表紙グラシン巻き
194頁
2013.09.26刊行