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深見けん二句集『菫濃く』 が第48回蛇笏賞を受賞しました!
ふらんす堂叢書 俳句シリーズ1
◆第八句集
菫濃く下安松に住み旧りし
所沢市下安松に四十年余り住み、武蔵野の面影の残る周囲が、いよいよ私にとっての風土になり、そこでの句が多くなった。句集名は、この句から「菫濃く」とした。
(あとがきより)
◆自選十五句より
浅間山昨日の雪を昼霞
影を置き蜂ひつそりと梅の花
仰ぎゐる頬の輝くさくらかな
形代や鹿島の沖の波のむた
睡蓮や水をあまさず咲きわたり
紅さして腕の中なる祭の子
人生の輝いてゐる夏帽子
スプーンもくもるばかりや夏料理
夏雲となく秋雲となく白く
日の沈む前のくらやみ真葛原
*
[ふかみ・けんじ(1922〜)「花鳥来」主宰、「ホトトギス」「珊」「屋根」同人]
装丁:和兎
A6判フランス装
160頁
2013.09.10刊行