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◆ふらんす堂編集日記
◆第一句集
桶の水もんどり打つて桜鯛
大熊さんは今年二月、めでたく米寿を迎えられたが、その句境は、いよいよ洒脱で自在である。
(序より:波戸岡旭)
◆波戸岡旭選十句
踏まれたるところ乳色風たんぽぽ
海の日は夫の忌海を思ふかな
夫の意に添ふしか知らず風知草
鰯雲たつた一人の子に遠く
絵馬掛けの倒れんばかり梅開く
薄氷の端押し池を傾かす
さればこそ羽ばたき澄める檻の鷲
肝胆を照らし合ひたるキャンプの夜
梅まつり湯島に齢捨てて来し
蜜豆や齢を遠くして銀座
*
[おおくま・せつこ(1925〜)「天頂」同人]
序:波戸岡旭
装丁:君嶋真理子
四六判上製函装
202頁
2013.08.29刊行