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◆ふらんす堂編集日記
◆第一句集
うららかや十七匹の猫と住み
孝子さんは私達と共に、高浜虚子の唱える花鳥諷詠、客観写生、平明に叙して余韻のある句を目指す道を真摯に歩んでこられたが、その成果が実っていると言える。
(序より 川口利夫)
◆川口利夫選十句
ほぐれゆくもの早春の庭にあり
散りゆくも残るも花の命かな
つつがなく生きる幸せ室の花
山鳩のくぐもり鳴ける朝曇
ちちははの眠れる里の山桜
母のもの縫ひ直しをり冬籠
サングラスかけてハワイの街角に
雲の峰染めて夕日の果てる海
捨てられて猫夏草に鳴いてをり
いつになく抱かれる猫や冬めきぬ
*
[まつだ・たかこ (1932〜)]
序:川口利夫
装丁:和兎
四六判並製カバー装
224頁
2013.09.10刊行