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◆精鋭俳句叢書 serie de la fleur
空港の夜長の足を組みなほす
『滑走路』はまた未来へ飛び立つ通路でもある。茉莉さんにはまだまだ豊かな春秋がある。自分の信じる道に向かって大きく羽ばたいていただきたい。
(序より 村上喜代子)
◆自選十五句より
朴の花眼下に川の蛇行せり
どこまでも夏野でありぬ地雷原
壜に飼ふ闘魚一匹づつの闇
政争の尽きざる国の銀河かな
空港の夜長の足を組みなほす
枯園に実生の色を残しけり
凍蝶の銀のオブジェになる途中
辺境の入国審査山笑ふ
遠野火の向かうは社会主義の国
成田着A 滑走路草萌ゆる
*
[さかもと・まり (1964〜) 「いには」同人]
序:村上喜代子
栞:櫂未知子
装丁:君嶋真理子
四六判並製小口折表紙装グラシン巻
192頁
2013.08.10刊行