◆ふらんす堂編集日記
◆第一句集
甚五郎の龍の青さや冬深し
はその中心の秩父神社の龍である。真弓俳句の原点でありその活躍の中心は何と言っても秩父なのである。
(序より 有馬朗人)
◆自選十句より
幼児のガリバーになる蟻の列
春はあけぼの一言主神が口開く
磨硝子の向かうは昭和冬至の日
廃校の巣箱に残る月日かな
父の横顔ばかり見てゐる終戦日
新涼や運河の町のクリスタル
やぐら組む神話の里の大根干し
ペンギンに飛ぶしぐさあり夏来る
クルーズに白いピアノとアネモネと
秩父夜祭灯を継ぐ役の小走りに
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[すだ・まゆみ (1955〜)「天為」同人]
序:有馬朗人
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
188頁
2013.07.06刊行