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◆ふらんす堂編集日記
◆第一句集
一枚の画布をあふれてひまはり黄
小谷さんも私も「風」で写生を学んだ。小谷さんの俳句は、静が動に変わっていく瞬間が見えるような写生句だと思う。しかも自在に、である。
(栞より:山崎祐子)
◆自選一二句より
そら色の氷柱百本モーニングティ
雉ほろろ引目鉤鼻絵巻かな
歌仙いま恋の句となり山焼く火
手びさしの肘の三角夏きたる
緑さす離宮に若きデスマスク
夜の新樹ジャズピアニスト立つて弾く
赤子抱くやうに葡萄の房もらふ
遠くより近くの淡し冬桜
狐火やちちははへ打つ笏拍子
雪嶺のひかりを胸に皿洗ふ
*
[こたにのぶこ(1942〜)「万象」「風港」「りいの」同人]
栞:山崎祐子
序句:中山純子
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装小口折表紙グラシン巻き
178頁
2013.05.11刊行