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◆ふらんす堂編集日記
◆第五句集
『墨水』は、平成十四年から二十一年までの作品を収めた私の第五句集である。この間、平成十四年には、三十四年間奉職した慶應義塾中等部を退職し、俳句一筋の生活に入った。
(著者あとがきより)
◆収録作品より
波の穂の挙り立ちては初日受く
年の市ぬけて帰院の僧一人
楊柳に輪飾をかけ初渡舟
一片はわたつみの底さくら貝
白蓮のうす墨ふくむ色浄ら
思ひ出の木橋の榛の花咲きぬ
墨東は妻のふるさと都鳥
弥陀の目と夢から醒めし鴨の目と
凧揚げて蒼穹に釣る天の魚
朴の花豁然と咲き師の忌来る
*
[すずきさだお(1942〜)「若葉」主宰]
装画:藤田桜
A5判変型上製カバー装
260頁
2013.05.07刊行