◆既刊全句集
『父寂び』から『大森海岸』まで、既刊句集全七冊の作品を季語別に収録。
作品理解の上で更に役立ち、実作者にとっては季語を通して俳句を学べる格好の一書。
◆収録作品
第一句集『父寂び』
第二句集『某日』
第三句集『午後』
第四句集『昭和一桁』
第五句集『風の突堤』
第六句集『冬の駅』
第七句集『大森海岸』
◆収録作品より
子と駆けて何のさみしさ春の杉
走り根に足払はれし甲斐の春
もう母を擲たなくなりし父の夏
くらがりの火のみ信じて母の夏
閉ぢてゐて香の流れをり秋の花舗
材木屋の空がもつとも広い秋
転轍機支線を冬へ切り替へぬ
みたらし団子冬の匂として憶え
正月の父と見しものすくなかり
正月の花片づけて棺置く
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[おおまきひろし]
装丁:和兎
四六判並製カバー装
290頁
2013.04.12刊行