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◆ふらんす堂編集日記
◆第一句集
はつほつひつはふひはふひとおでん鍋
この句を読んだとき、思わずこちらまで笑顔になりました。
端正な雰囲気のある花音さんの句の中にときおり混じるユーモアが、ぱっと開く花のようです。
(序より:宮下奈都)
◆収録作品より
結ひ上げてしなやかに立つ初鏡
お日様が大好き子らもたんぽぽも
ファインダーに重ねあふ笑み花の雲
風薫る指きりの指いつまでも
逆上がりして夏空をひとまはり
ここよりは女将となりし夏暖簾
卵焼く香りに目覚めパリの秋
太陽の匂ひ抱きしめ干し蒲団
水仙と海とを分ける一本道
名をかへて海につなぎし冬の川
*
[にしもとかのん(1973〜)「木屑」所属]
序:宮下奈都
装丁:君嶋真理子
四六判ペーパーバックスタイル
190頁
2013.04.12刊行