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◆ふらんす堂編集日記
◆第二句集
一般的に、自註句集というものがあるが、この句集のように句と鑑賞文を集め、それが三十年に亘る作者の生活の記録になる句集というものがあって然るべきで、その中でも優れた句集と云えると思い、傘寿のよき記念になったと思う。
(序より:深見けん二)
◆収録作品より
雲騰る青嶺米寿の師と越ゆる
海鳴りの闇みつめゐて年は逝く
山頂の岩より吹かれ秋の蝶
雪掻いて掻いて郷土に血を濃くす
白鳥守白鳥ほどに髪白く
雪嶺の照るや故郷にわが家得て
山羊の仔を妻と見にゆく花すもも
アパートの戸毎小さき注連飾
ほういほういと白鳥を呼びゐたる
骨拾ふ前山に雪とめどなく
*
[つちだけいぞう(1931〜)「野火俳句会」同人]
序:深見けん二
装画:橋本卓也
装丁:和兎
四六判上製カバー装
234頁
2013.03.04刊行