[立ち読みする]
◆ふらんす堂編集日記
◆第四句集
虹二重向かう側にも誰かゐる
この幸せを、虹の向こうにいる人と分ち合いたい、という博愛を示す句。
田口紅子さんの特長は、スケールが大きいということである。も、しかり。
(帯より:鷹羽狩行)
◆自選一〇句
水面より空のはじまる大旦
雛の間にくれなゐの闇ありにけり
天上へたよりたづさへ揚雲雀
夜の新樹私雨といふがあり
虹二重向かう側にも誰かゐる
黄金の月あげてゐる山椒魚
広島や白さるすべり風を生み
栃の実のこつんと大地よろこばす
いつとなく山の間近になりて冬
稜線にせきとめられて冬銀
*
[たぐちべにこ(1948〜)「狩」同人]
帯:鷹羽狩行
栞:村上護
装丁:君嶋真理子
A6判フランス装
128頁
2013.02.04刊行