◆ふらんす堂編集日記
◆第一句集
都大路にアフリカの風春めけり
これまではほのかな期待を抱いて見ていたのだが、これからは本気で俳句と取組まれるとなると、どんな大きな飛躍が生じて来るのかとわくわくさせられる。改めて「しをん俳句」の第二期の開花を期待して止まない。
(序より:泉田秋硯)
◆自選一〇句
そおろりと帯解く宿の月明かり
亡夫恋へば酢橘酒少しほろ苦く
逢瀬なら絽を纏ひたし風なき夜
香木を聞けばはんなり秋燈下
再婚を聞かれて微妙秋桜
手相見の『良縁あり』に小春風
明易やスイートルームのルノアール
憧れしJALのリストラ鰯雲
衣擦れのやがて静もる春障子
記念日につける香水内緒なの
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[あめみやしをん(1956〜)「苑」同人]
序:泉田秋硯
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
192頁
2013.01.29刊行