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◆ふらんす堂編集日記
◆第一句集
浴衣着る海を畳んだ青は濃く
清冽な詩心が続く。、これらの巧緻な表現は単なる誠心のみではならず、日々の弛まぬ実作への努力、その継続以外にはない。
(序より:鈴木明)
◆自選一〇句
声紋にアイデンティティー冴返る
炎昼の無音原宿0番線
家訓などなくてひねもす年酒酌む
送り火やただ仄暗き滑走路
師系は孤高花鶏飛ぼうが飛ぶまいが
命題は混沌明日は雪になる
雨水吉日少しわがまま許し合う
哲学をするほかはなし油照り
ゆりかごは納戸にあるか上馬処暑
鍵返す帰燕の空が遠くなる
*
[くわたまこと(1962〜)「野の会」同人]
序:鈴木明
装丁:和兎
四六判並製カバー装
234頁
2013.02.14刊行