◆収録作品より
屋根は斜めになっていると思うと、
ときには自分も斜に構えたくなるが、
不機嫌さと
付き合いが良すぎてはいけないのだ。
擦り切れた絨毯のような目つきを
してはいけないのだ。
躰に宿り、
躰と心をつなぐという無意識。
そのつながり深くにまで
さかのぼったところにある、
躰と心を動かす
野性の無意識。
倒木になったように苦しいときには
静けさの中で、
掘り出されることのない
大きなルビーの原石のような心臓と、
打ち解けあう。
心が行き、
笑みが浮かぶと、
エンドルフィンが放たれるのだ。
現実は、
力強くゆるみほぐれた現実となって、
保証するものを持つのだ。
(「エンドルフィン 二」より)
*
[こじまかずこ]
装丁:和兎
B6判ペーパーバックスタイル
66頁
2013.01.29刊行